

私中西(家庭教師のアクセスプロ講師代表)は過去に何人もの横浜雙葉中学校合格者を出してきましたが、その中でもTさん(仮名)の指導についての経験は受験生の皆様のご参考になるところもあるのではと思われましたので、この場をお借りしてご紹介させていただきます。
私がTさんの指導を開始したのは、Tさんのお母様から塾の成績の事でご相談を受けてから間もなくの、Tさんが5年生の11月になった頃のことでした。
Tさんは大手の受験塾に通っていましたが、非常に人見知りでおとなしく恥ずかしがり屋な性格で、塾の授業で分からないところがあっても講師に授業後に個別に質問に行くこともできず、そのために私が指導を開始した当初は分からないところがかなりたまってしまっている状況でした。
そのような状況がよくないことはTさんも薄々分かってはいましたが、Tさんのお母様によると、塾の進度が早く、また宿題も多く出されるためにそれをこなすのに手いっぱいで、分からないところの復習にまで時間を割く余裕などとてもではないが無いという状況ですとのことだったのです。

そこで私はまずTさんの家庭学習のやり方を詳しく調べてみることにしました。
その結果、案の定私の予想通りTさんは非効率的で点数に結び付きずらい学習方法を行っていたのです。
Tさんはノートをきれいに書くことや分からない問題を考え込むことに多くの時間を費やしてしまっており、勉強に時間はかけていても知識や技術として頭に残るような勉強方法をとることができていなかったのです。
また前述の性格からもわかるように、塾の授業で分からないことを塾講師に質問できないために、理解できていない単元がどんどん蓄積されていってしまい、そのためどこが分かっていてどこが分かっていないのかすらTさん自身が分からなくなっているような有様でした。

そこで私はまず家庭学習の大幅な改善を行うことにしました。
具体的には、
1.ノートの効率の良い取り方を指導し、時間をかけずに見やすく学習しやすいノート作りをさせる。
2.問題を解く前に、必要な知識や公式・解き方などはきちんと覚えるようにさせる。
3.問題を解く際に解き方が分からなくて無駄に考え込むことの無い様に、一問当たりの考える時間に制限時間を設ける。
4.毎回学習した内容が頭の中にきちんと入っているか自分でチェックする体制を作る。
こうして家庭学習の効率化と時間短縮を図った上で次に私が行ったことは、今まで学習したことで理解できていない単元を一つ一つ洗い出し、理解できるまで丁寧に教えることでした。
その際は内気なTさんの性格を十二分に配慮して、Tさんが委縮しないで安心して指導を受けられるような体制作りを心がけました。
これは塾でその回に行った学習内容のフォローと並行で行わなければならなかったので結構大変でしたが、幸いTさんはしっかりとついてきてくれました。

こうした取り組みを続けていくうちにTさんの成績は徐々に伸びていき、私が指導を開始した当初の頃に行った模試では横浜雙葉中学合格可能性がわずか20%未満だったTさんの成績は、最後の12月の模試では横浜雙葉中学の合格可能性の判定で80%を達成できるようになりました。
そして迎えた入試本番では、あの内気で臆病だったTさんが自信を持って試験に臨むことができたそうで、その結果見事に横浜雙葉中学に合格することができました。
これも一生懸命に頑張ったTさんやご両親のご理解とご協力の賜物であると感謝しております。

産経新聞出版 下剋上算数 基礎編
四谷大塚 4科のまとめ社会
旺文社 出る順過去問 ことわざ・語句・文法

算数難易度:★★★★☆
国語難易度:★★★★☆
理科難易度:★★★★☆
社会難易度:★★★★☆
横浜雙葉中学校はフェリス、横浜共立と共に神奈川女子御三家の一つであり、東京にある雙葉中学校の系列校です。
問題は難問・奇問の類は出題されませんが幅広い範囲から出題され、記述力や思考力を要求される問題も出題されるため、高得点を狙うには十分な練習が必要です。
また解答時間のわりに問題数は多く、手際の良い処理が要求されます。

①算数でも途中式や考え方を記述させる問題が出題される。
②国語では自分の考えを書かせる作文的な問題が出題される。
③理科・社会は広い範囲から出題されており出題分野が絞りにくい

科目 | 配点 | 時間 | 問題数 | 難易度 | 記述・要途中式 | 難問出題率 | 出題タイプ | 合格最低ライン |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
国語 | 100点 | 50分 | やや多い | やや難 | 40% | 5% | AB | 65% |
算数 | 100点 | 50分 | 標準 | やや難 | 30% | 5% | AB | 65% |
理科 | 80点 | 40分 | やや多い | やや難 | 15% | 5% | AB | 65% |
社会 | 80点 | 40分 | 多い | やや難 | 5% | 5% | A | 65% |
A タイプ |
全体の9割以上が知識や公式を知っていて、その活用法が分かっていれば解ける出題の学校。 | B タイプ |
全体の3割以上が正解を出すために、思考力や発想力を必要とする問題の学校。 | AB タイプ |
全体の1割から3割がBタイプ(正解を出すために思考力や発想力を必要とする問題)の学校。 |
---|

科目 | 出題されやすい単元・形式 |
---|---|
国語 | ●物語文・小説文 ●説明文・論説文 ●随筆 ●漢字の読み書き ●ことばの知識 ●作文 |
算数 | ●四則計算、還元算 ●数の性質、数列・規則性 ●平面図形、立体図形 ●過不足算・差集め算 |
理科 | ●生物と環境総合 ●てこ、ばね、滑車・輪軸 ●水溶液、燃焼 ●天体 ●気象 |
社会 | ●日本地理総合 ●日本の歴史総合 ●政治総合 |

科目 | 学習すべき内容・学習方法 | 試験での得点方法 |
---|---|---|
国語 | 選択問題は紛らわしいものが多いので文章を正確に読み取る練習が必要。記述問題対策としてはポイントを押さえた表現ができるようにすることが重要。知識問題は漢字の読み書き、ことばの知識を中心にきちんと覚えておく。自分の考えを書かせる作文的な問題も出題されるので普段から与えられたテーマをもとに自分の考えをまとめる練習をしておく。 | まず知識問題から解いていき、長文問題は文章が長いので手早く読み込み、選択問題や書き抜き問題から手早く片付け、記述問題に時間を割けるようにする。 |
算数 | 四則計算・還元算、図形、数の性質・規則性を中心に他の分野も出題されるので、典型的な問題は早く正確に解ける練習が必要。途中式や計算を書かせる問題も出題されるのできちんと途中式や計算を書き残しておく習慣をつける。 筋道を立てて考えたり規則を見つけ出す訓練も重要。 | 問題の難易度を素早く見抜き、解き易いものから手際よく解いてゆく。計算ミスが無いように正確に処理する。 |
理科 | どの分野から出題されても大丈夫なように幅広く解法や知識を身につけておくことが肝心。 実験結果や図やグラフのデータから読み取り考察する練習も必要。計算問題や短文記述形式の問題に対する練習も重要。 | 選択問題からどんどん手際よく解いていき、計算問題や短文記述問題にも時間が取れるようにする。 |
社会 | どの分野も幅広く深い知識を身につけておくことが重要。 総合問題形式に慣れる。 時事問題や環境問題への対策もおろそかにしない。 | 問題数が多いので選択問題や用語記述問題から手際よく解いていき、短文記述問題にも時間をかけられるようにする。 |

科目 | 問題傾向が似ている学校 |
---|---|
国語 | ■洗足学園中学校 ■雙葉中学校 ■田園調布学園中等部 ■女子学院中学校 |
算数 | ■学習院女子中学校 ■吉祥女子中学校 ■晃華学園中学校 ■大妻多摩中学校 |
理科 | ■普連土学園中学校 ■昭和学院秀英中学校 ■海城中学校 ■学習院女子中等科 |
社会 | ■淑徳与野中学校 ■湘南白百合学園中学校 ■東洋英和女学院中学部 ■田園調布学園中等部 |

横浜雙葉中学校攻略のポイント
解答時間のわりに問題数が多いので、解けなければならない問題を素早く見分ける能力と、早く正確に問題を解く能力が要求される。
どの分野からも出題される可能性があるので、苦手分野を作らないようにし、もし苦手分野があれば早めに補強しておくことが肝心である。
特に理科社会では幅広く深い知識が要求されるため、普段から計画的にしっかりと暗記を行っていくことが重要である。